ヌビア地域の遺跡– category –

クシュ王国以外のヌビア地域には、ケルマ文化やアクスム帝国など、さまざまな時代と文化の遺跡が存在します。以下にいくつかを紹介します。

1. ケルマ：ケルマは、クシュ王国よりも前の時代、紀元前2500年から紀元前1500年まで続いたケルマ文化の中心地でした。ケルマには大規模な都市遺跡があり、デフォファ（巨大な円形の石造りの墓）などが特徴的です。また、陶器や金工品など、ケルマ文化の美術品も見つかっています。

2. アブ・シンベル：アブ・シンベルはエジプトとヌビアの境界に位置しており、ここにはエジプトのファラオ、ラムセス2世によって建設された巨大な岩窟神殿があります。この神殿は、ラムセス2世がエジプトの北部と南部、つまり下エジプトと上エジプト、そしてヌビアを統治していたことを示しています。

3. ソレブ：ソレブはヌビア地域に存在したアムン神殿で、エジプト第18王朝のファラオ、アメンホテプ3世によって建設されました。ソレブの神殿は、エジプトとヌビアの間の交流とエジプトのヌビアに対する影響を示しています。

4. ドンゴラ：中世のヌビアにおける重要な遺跡で、マクリア王国の首都でした。マクリア王国はキリスト教を国教とする国家で、ドンゴラには大きなキリスト教の教会が建設されました。

これらの遺跡は、クシュ王国以外のヌビアの歴史と文化を理解する上で重要な情報源となります。それぞれの遺跡は、ヌビアがエジプトや他の周辺地域と交流しながら、その時代ごとに異なる文化を発展させてきたことを示しています。