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カーリーとシヴァの関係って?

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―怒れる女神と沈黙の神、その不思議なバランス―

カーリーといえば、首にドクロのネックレス、血のついた舌を出し、破壊のエネルギーを全身から放つような、ものすごい迫力の女神です。
そんなカーリーと、静かに瞑想する神シヴァがどうつながるのか、不思議に思う人も多いかもしれません。

実はこの2人、ただの神同士ではなく、深い象徴関係とパートナーシップを持つ存在なのです。

なお、ヒンドゥー教の神さま「シヴァ」については、以下の記事で詳しくお話ししています。

シヴァ神のふしぎな魅力―踊って、壊して、また生み出す


カーリーはシヴァの妻のもう一つの姿

カーリーは、シヴァの妻パールヴァティの変身した姿のひとつです。
パールヴァティはもともとやさしく母性的な女神ですが、必要に応じて戦いの女神ドゥルガー、さらには破壊の女神カーリーへと変化します。

つまり、カーリーは怒りと破壊、そして強い保護の力が極限まで高まったときに現れる姿なんですね。


有名なエピソード:シヴァの沈黙が世界を救う

ある神話では、カーリーが悪を滅ぼすために暴れ回り、その力が強すぎて、誰にも止められなくなってしまいます。
彼女は怒りに満ちて地上を踏みつけ、世界が崩壊しそうになります。

そんな時、シヴァが彼女の前に静かに横たわります
カーリーは誤ってシヴァの体を踏みつけ、その瞬間、「これは自分の夫=宇宙の静けさそのものを踏んでしまった」と気づき、ハッとして怒りから目覚めるのです。

この場面はとても有名で、カーリーの像には、シヴァの体の上に立つ姿としてよく描かれます。


ふたりの関係が教えてくれること

カーリーとシヴァは、ヒンドゥー教における「エネルギーと意識」の象徴です。

  • カーリーは動的エネルギー(シャクティ)=世界を動かす力
  • シヴァは静寂・意識そのもの=変わらない真理

カーリーの力は暴走することもありますが、シヴァという「受け止める存在」がいることでバランスが取れるのです。
これは、私たちの中にある「感情と理性」や「行動と静けさ」の関係にも重なります。


まとめ

  • カーリーはシヴァの妻パールヴァティの恐るべき姿
  • シヴァはカーリーの破壊の力を沈黙と愛で受け止める
  • ふたりは「動と静」「力と意識」という対の存在
  • その関係は、人間の内面や宇宙のバランスを象徴している

カーリーとシヴァの関係は、一見すると激しさと静けさの真逆のようですが、だからこそお互いを補い合う完璧なペアなのです。

この物語は、「どんな強さも、静かな愛に支えられてこそ活かされる」という深いメッセージを私たちに伝えてくれます。

シヴァについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事を読んでみてください。

シヴァ神のふしぎな魅力―踊って、壊して、また生み出す

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この記事を書いた人

ご挨拶:ファンタジーが大好きです。古代の歴史はスピリチュアル的な魅力に満ちあふれていると思いませんか?私たちと一緒に古代の遺跡・神話・文明の世界をスピリチュアルの観点から探求しましょう。
編集長:中央大学卒。在学中、国際政治史を学ぶ中で、人間の歴史においては同じような過ちが繰り返されていることに気づく。歴史を学ぶことは、現在の世界をよりよく理解し、未来に進むために不可欠であると考えるようになった。アニミズム等にも関心があり、スピリチュアルの観点から古代史を概観するメディアを制作。

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