―女神パールヴァティとそのさまざまな姿―
シヴァ神には、深く愛し合う妻がいます。それが女神パールヴァティ。
彼女はただの「神の妻」ではなく、シヴァにとって欠かせないパートナーであり、宇宙を動かす力そのものでもあるんです。
なお、ヒンドゥー教の神さま「シヴァ」については、以下の記事で詳しくお話ししています。
シャクティ=宇宙のエネルギー
ヒンドゥー教では、シヴァが「静」の存在だとすれば、パールヴァティは「動」の力。彼女は「シャクティ(Shakti)」と呼ばれ、宇宙に命を吹き込むエネルギーを象徴しています。
シヴァとシャクティがそろってはじめて、宇宙のバランスがとれるのです。
パールヴァティのいろいろな姿
女神パールヴァティには、さまざまな名前と姿があります。それぞれの姿には、ちがう側面や意味が込められています。
1. パールヴァティ:やさしさと愛の女神
- 優しくて母性的な姿
- シヴァの心を癒し、家庭を守る存在
- 息子は有名なガネーシャ(象の頭を持つ神さま)
2. ドゥルガー:戦いの女神
- 魔物(アスラ)を倒すために戦う勇敢な姿
- たくさんの腕に武器を持ち、虎やライオンに乗る
- 「悪に立ち向かう母」のイメージ
3. カーリー:破壊と再生の女神
- 真っ黒な肌、首に髑髏のネックレスという強烈な姿
- すべてを破壊して、新しい命の流れを生み出す力
- 怖そうに見えるけど、「真理を貫く」存在として崇められている
4. アンナプルナ:食べ物の恵みを与える女神
- 「すべての人に食を与える者」
- お米や豊かさの象徴としても親しまれている
シヴァとの関係
シヴァとパールヴァティは、宇宙の陰と陽、静と動、破壊と創造を表すカップル。ときにぶつかり、ときに助け合いながら、世界を支えています。

2人が一つの身体になった姿が、以前ご紹介したアルダナリーシュヴァラ(半男半女の神さま)。これは、「男性性と女性性が調和してこそ完全である」という大切なメッセージを伝えています。
まとめ
- シヴァの妻は、宇宙を動かすエネルギー「シャクティ」
- パールヴァティはやさしさ、戦い、破壊、豊かさなど多くの姿を持つ
- シヴァとパールヴァティは、バランスと統合の象徴
シヴァ神の物語に、パールヴァティの存在は欠かせません。彼女を知ることで、シヴァのことももっと深く理解できるようになります。
シヴァについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事を読んでみてください。