―そのイメージの理由と本当の姿―
「シヴァ神ってなんだか怖そう…」
そんな印象を持っている人は少なくありません。怒った顔、首に蛇、灰色の肌、火をまとって踊る姿など、ちょっとインパクトが強いですよね。
でも、なぜそんなふうに思われるのでしょう? そしてそれは、本当のシヴァの姿なのでしょうか?
なお、ヒンドゥー教の神さま「シヴァ」については、以下の記事で詳しくお話ししています。
怖く見える理由①:破壊の神という役割
まず一番の理由は、シヴァが「破壊の神」として知られていることです。
ヒンドゥー教の三大神の中で、シヴァは「終わり」や「壊すこと」を担当しています。私たちにとって、「壊す」ってちょっと怖い響きがありますよね。
でも実は、シヴァの破壊はただの破壊ではありません。
それは「古いものを壊して、新しいものが生まれるためのスペースをつくる」こと。つまり、「再生のための破壊」なんです。
怖く見える理由②:見た目のインパクト

シヴァはよく、こんな姿で描かれます。
- 首に蛇を巻いている
- 髪からガンジス川が流れている
- 灰色の肌に第三の目
- 火をまとって踊っている
- 頭には髑髏の装飾、あるいは火葬場に住むイメージも
こうしたビジュアルは、私たちの日常とは少し離れているので、「不気味」と感じる人がいるのも無理はありません。でもそれぞれに深い意味が込められています。
たとえば蛇は「死と再生」の象徴、灰は「この世の無常」、火は「浄化のエネルギー」を表しています。
怖く見える理由③:怒りの姿(ラドラなど)
シヴァには「ラドラ(怒りの神)」のような、激しい一面もあります。これは悪を滅ぼすために現れる姿で、目を見開いて怒りに満ちた様子は確かに怖いかもしれません。
でもこの怒りも、「守るため」のもの。
愛する世界や人々を守るために必要なエネルギーとして現れているんです。
実はとてもやさしい神さま
そんなふうに“怖く”見えるシヴァですが、実はとてもやさしくて、包容力のある神さまでもあります。ヨガの神、瞑想の達人、家族思いの父、愛にあふれた夫としての姿もよく描かれます。
特にシヴァ派の信者にとっては、シヴァはすべてを受け入れてくれる存在。恐れずに心を開けば、静かに寄り添ってくれる神さまなんです。
まとめ
- シヴァが「怖い」と言われるのは、破壊の役割や見た目の強さから
- でもそれは、浄化や再生、守る力の表れ
- 本当のシヴァは、やさしくて深い愛に満ちた存在
怖さの奥にあるやさしさ。シヴァは、そんな“矛盾のようで矛盾でない”存在だからこそ、多くの人を惹きつけているのかもしれませんね。
シヴァについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事を読んでみてください。